端午の節句(子どもの日)とアーユルヴェーダ

5月5日は子どもの日。

インドにルーツがある生命の科学アーユルヴェーダですが、実は日本文化とたくさんの共通点があります。日本の節句には植物が関わっていますよね。これはアーユルヴェーダとの大きな接点でもあります。アーユルヴェーダでは身近にある植物を薬や食事として私たちの生活に活用させます。今回は端午の節句を例にして見てみたいと思います。

子どもの日には植物の葉に包んだ柏餅や粽、菖蒲湯をイメージする人も多いのではないでしょうか。柏餅の歴史は江戸時代に始まりました。柏は新芽が出るまで葉が落ちません。葉を付けたまま厳しい冬を越え、新芽が吹く頃に落葉します。その特徴から「後継ぎが絶えない」「子孫繁栄」を意味しているという縁起担ぎの神聖な木と言われています。そこから縁起の良い食べ物として柏餅が食べられるようになりました。

一方で粽は中国伝来のものです。実は端午の節句(子どもの日)は中国の影響を強く受けています。中国でも日本のように季節があり、その変化の中で人々の暮らしがあります。古代中国の5月は雨季を迎えるときです。雨の日が多くなることで病や災厄が増えたため、その厄払い行事として端午の節句が始まりました。菖蒲の持つ強い香りが邪気を祓うと考えられ、邪気を祓いに菖蒲が使用されるようになったのです。それが日本に伝来されて平安時代には、宮中行事として菖蒲が使われた端午の節会が行われました。時代が進み武家社会となった江戸時代あたりから、菖蒲に「勝負」や「尚武」などの言葉の意味をかけ、男の子が逞しく成長することを願うようになったのです。今でも子どもの日に菖蒲湯に浸かる風習が残っていますね。

菖蒲湯は、血行促進や冷え性の改善、疲労回復、筋肉痛や関節の痛みの緩和、解毒、殺菌などが期待されると言われています。 アーユルヴェーダでも菖蒲は薬草として使用します。身体を温め巡りを促す作用を活かして、マッサージに使用されることもあります。

アーユルヴェーダは世界最古の医学とも言われ、各国で発展した伝統医学や全ての医学のベースになっていると考えられています。中国や日本への影響も垣間見る事ができます。気付いていないだけで、皆さんはすでにアーユルヴェーダ実践者かもしれませんね。

ちょうど先日、菖蒲を分けていただける機会がありました。皆さんが目にする花菖蒲とはまた別の種類です。 サトイモ科で菖蒲湯や薬草として使用されるもので、切った瞬間から香りが漂います。 天然のアロマですね。古の人々もこの香りを楽しんでいたのかと思うとまた格別です。

Sahoko Matsuo 
日本の風土に添ったアーユルヴェーダとヨガ
自己の内外の自然に気付き繋がるナビゲーター
個人の特性に光をあてるアーユルヴェーダライフコーチ
E-RYT500/福祉マネジメント修士/社会福祉士
Sahoko

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