土に触れる。
自宅に庭がなかったり、植木を置いていないとなかなか機会がないと思うかもしれませんね。
実は、日本の食卓では土に関連するものがあります。それは陶器です。
皆さんも、普段陶器の器を使う事はありませんか?食卓は自然との繋がりを感じられる場のひとつ、今回は器から自然について考えてみたいと思います。
筆者の地元である愛知県には常滑(とこなめ)という焼き物の街があります。日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつとされ、常滑焼の歴史は平安時代にまで遡ると言われています。
常滑焼は伝統的なものだと赤茶色の急須や梅干しを入れるような壺のイメージが強いかもしれません。陶器に欠かせない陶土 これはその土地のものが使われるため、土に含まれる養分濃度によって焼き物の色や質感に現れます。土は大地であり、あらゆる生命を支えている基盤となるもの 陶器作りは土と向き合うこととも言えそうですね。
先日、久しぶりに常滑の焼き物散歩道を散策してきました。ここではタイミングが合えば陶芸家さんたちが作業している姿もみることができます。今は若手の作家さんもたくさん活躍されていて、モダンでスタイリッシュな作品も多くあります。
急須を探していた私はこのころんと可愛いフォルムに一目惚れ。
取手がなく片手で使えて、湯切りスッキリ 茶漉し機能も内臓されていて、更に洗うのも楽ちん。
細部までこだわりの詰まった作り手の方の想いを直に聞くと、その情熱と愛情を感じずにはいられません。特に素焼きの質感が、持った時の土の感覚が強く大地へと思いが膨らみます。
日本の伝統文化である茶道ではお抹茶をいただく際、お茶を味わうだけではなく、器を眺め、愛でることをしますね。アーユルヴェーダでも感覚を大切に食事をする事を勧めています。食事や飲み物をいただく際に、手から感じる温もりや香り、色を楽しみ五感が刺激されます。その感覚は使う器によっても変化します。
食事というと、食事の内容に意識が向きがちですが、器に目を向けて、伝わる温度や質感、そして食材との色合いを楽しむと、食事の時間もより一層楽しみが増えますね。日々の暮らしでも、お気に入りの器をじっくりと眺めてみるのも粋なものです。
暖かく過ごしやすい気候になってきました。お気に入りの器を見つけにお出かけするのもよいですね。時間があれば陶芸にチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。土に触れ、どんな作品にするか想像力を掻き立て、無心に心向くままに制作してみるのもリフレッシュになりそうです。
Sahoko Matsuo
日本の風土に添ったアーユルヴェーダとヨガ
自己の内外の自然に気付き繋がるナビゲーター
個人の特性に光をあてるアーユルヴェーダライフコーチ
E-RYT500/福祉マネジメント修士/社会福祉士
Sahoko