早朝にオフィスに行くと、会議室いっぱいに資料を広げ、どうにか間に合ったという安堵感?を漂わせている人がいたので「まさかの徹夜明け?」と聞いたら、「恥ずかしながら、ほんと仕事できないやつって感じですよね」と照れくさそうに微笑んだ。
仕事できないというのは、彼なりの社交辞令や照れ、謙遜もあるとは思うけど、以前(昭和時代)なら、誇らしげになったであろうその姿が、いつの間にか、
残業=仕事遅い
徹夜=仕事できない
という考え方が定着していることに、なんだか感慨深い気持ちになった。
(昭和世代の人はきっと頭をよぎるであろう、CMにもなった「24時間働けますか?」の完全なる終焉)
また、そこに部下の姿はなく、間に合わない分はチームリーダーである彼が責任を持ってやり遂げていたんであろうというあたり好感が持てるし、そういう人だから「恥ずかしながら・・・」ということを言えるのではないかと思う。
昭和でも令和でも、いつの時代でも、仕事に対する思いはきっと変わらないけど、スタンスや働き方は大きく変わっている。
盆も正月もなく働いた日々、会議室の床で眠った夜も、罵声の中で何度となく消えてしまいと思ったことも、今となっては思い出だけど、心身ともにつけてしまった傷は思いのほか深く、簡単に消せるものではないということを経験しているひとりとして、仕事をすること、働くということについて改めて考えるきっかけとなった、ある朝の出来事でした。
ちなみに、残業明けの彼に「ユンケル飲まなきゃだね!」と言ったら「うわ、懐かしい!!!」って言われたので、ユンケルネタはお口チャックだなと心に誓ったのであります。(お口チャックもどうなのよということは置いておいて)
MIho Abe
黄昏期真っ只中。長年の会社員生活において体調を崩したことをきっかけにアロマやハーブ・アーユルヴェーダ・レイキなど自然療法に興味を持ち学びを続けている。趣味は終活。アーユルヴェーダ∞ライフコーチ0期卒
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