夏も近づく八十八夜。という歌にもありますが、立夏を前に茶摘みが始まります。
今年はちょうど八十八夜の前日に、新緑が眩しく輝く里山で茶摘みをしてきました。
二十四節気
穀雨(4月20 日ごろから5月5日ごろ)
春の大地に潤いを与え、田畑の作物を育てる恵の雨が降る気候を表します。
この穀雨の期間を経て育った瑞々しい新芽、摘みたてを口に含むと優しい苦味と共に感じる甘味と渋味、春の柔らかな空気に緩んだ身体と心にすーっと染み入ります。
お茶の持つ苦味、渋味は体内の余分な水分や脂質を洗い流し毒素排出を助け、身体の熱を冷ますとアーユルヴェーダは考えます。さらに、この味は口内のねばつきも洗いながしてスッキリさせてくれるため、日本の食後にお茶を飲んで締める文化はとても素晴らしいものなのです。
茶道はアーユルヴェーダから見ても、とても理に適っています。
お茶と共にいただく和菓子は甘味と少しの塩味が含まれていることが多いですね。甘味と塩味は、私たちの心身に潤いと重みを与えます。疲れた時に甘いものを食べるとホッと落ち着くのはこの作用によるものです。お茶を一緒に頂くことで、苦味と渋味の浄化作用で軽さがもたらされ、ちょうど良いバランスが取れるのです。
食後に甘いものが欲しくなったり、ダラダラと食べ続けてしまう傾向があるという方は次のような食事のとり方を取り入れてみると変化があるかもしれません。
- 食事の始めの方に食欲を増進させる酸味や塩味、そして満足感を与えてくれる甘味があるものを食べる。
- 食事の中盤から終わりにかけて葉物野菜など、苦味や渋味のある食べ物を食べたり、お茶で食事を締めくくる。
良かったらお試しくださいね。
また、苦味や渋味は心身の熱をクールダウンする作用も期待されますので湿度と気温が上がる日本の梅雨にももってこいですね。ただ、飲み過ぎると体内の必要な水分や油分まで流し出してしまうことになるので注意しましょう。何事もほどほどに。
お茶は飲むだけではなく、粉末を料理に使うこともできますね。抹茶塩にしたり、少し消化力を上げたい場合には、そこに生姜や黒胡椒、長胡椒などの粉末を混ぜるのもお勧めです。
日本文化のお茶を取り入れて、梅雨も快適に過ごしましょう!
Sahoko Matsuo
日本の風土に添ったアーユルヴェーダとヨガ
自己の内外の自然に気付き繋がるナビゲーター
個人の特性に光をあてるアーユルヴェーダライフコーチ
E-RYT500/福祉マネジメント修士/社会福祉士
Sahoko